書き手の個性を生かしつつ、完読されるための工夫を 「オウンドメディアにおける編集」って?

こんにちは。2015年5月入社、はてな編集部の野瀬です。現在は企業のオウンドメディアやはてなブログの編集をしています。「はてなの編集ってどんなことをしているの?」と聞かれることが多いので、今回は「オウンドメディアにおける編集」についてお話ししたいと思います。はてなの編集に興味を持ってもらえるとうれしいです。

はてなではオウンドメディアの運営に携わっています

企業のマーケティング手法として「コンテンツマーケティング」に注目が集まる昨今、自社でブログやサイトを立ち上げて情報発信に取り組む、オウンドメディアの事例が増えています。こういった背景を受けはてなでは、はてなブログの仕組みを使ったオウンドメディアCMS「はてなブログMedia」を企業向けに提供しています。

さまざまな企業に導入いただいている中、楽天さまの「それどこ」やアイデムさまの「りっすん」のように、CMSの提供だけでなくコンテンツの制作も請け負っているメディアがあります。

コンテンツ制作って何をやるの? それどこの場合

いくつかのメディアのコンテンツ制作に携わる中で、私は、はてな側の編集責任者として、楽天さまの「それどこ」をメインに担当しています。

思わず「それ、どこで見付けたの?」「それ、どこがスゴイの!?」と言いたくなるような、買い物を通じて得た知識や体験や感動、揺さぶられた物欲を共有するお買い物情報メディアとして、バラエティー豊かなコンテンツを発信しています。

「それどこ」TOPページ

「それどこ」での私の仕事は大きく分けて2つです。

  • 記事の制作
  • メディア全体の管理

前者はいち編集者としての視点で、「面白い」と思う記事を制作しています。後者は全体の進行管理や数値の振り返り、メディアの方向性やメディア全体の記事のバランスが取れているかの確認など、編集長に近い視点を持って携わっているというとイメージが湧きやすいでしょうか。

以降ではこの「それどこ」を例に、具体的な編集の仕事についてお話しします。

どんなふうに記事を制作しているのか

一つの記事が出来上がるまでの工程は、以下の通りです。

  1. はてな編集部で企画会議を実施
  2. 楽天さまと実際に進める企画を決定
  3. 書き手(はてなブロガーやライター)に打診
  4. 原稿を編集
  5. 記事公開
  6. 公開した記事の振り返り

企画会議では、各編集者が「記事の企画案」「書き手の候補」「想定する読者層と読後感」「目標数値(PVやSNSでのシェア数)」を持ち寄ります。そして、そこで出た案をもとに、楽天さまと相談して進行する企画を決定。記事を公開した後も「目標の読後感や数値と結果に乖離(かいり)がないか」「良かった点」「改善点」を振り返り、それを楽天さまと共有して今後の施策に生かす、といったことを行っています。

はてなには魅力的な書き手がたくさん

書き手の候補には、プロのライターはもちろんのこと、はてなブロガーを挙げることもよくあります。実は、はてなの編集者は日ごろからユーザーのブログをいち読者としてよく読んでいるのです。

熱量やこだわりを感じるもの、独自の視点で書かれたもの……はてなには魅力的なブログがたくさんあります。その中から、自分が「これは!」と惚れ込んだ書き手を企画会議でプレゼンするというわけです。そのため各編集者が熱い思いを持って会議に臨みます。

はてなブロガーの魅力的な記事を発信できるのは、はてなが手がけるオウンドメディアの特徴の一つだといえます。

候補が決まったら、書き手にメールで執筆のお願いをします。「書き手のどこに魅力を感じたのか」「どういった記事を書いてほしいのか」など、執筆をオファーした背景が伝わるように思いをつづります。定型文を送るのではなく、各編集者が独自のスタイルでメールを書いています。

その後、書き手と実際に会って打ち合わせをしたりメールでのやりとりを重ねて、コミュニケーションをとりながら記事を完成させます

編集するうえで心がけていること

記事を編集するとき、最も大切にしているのは「書き手の個性を生かすこと」です。もちろん、想定する読後感や企画の軸からブレないように、場合によっては記事の構成を大きく変更、調整することもあります。しかし、基本的に表現方法については書き手に委ねます。そうすることで他では読めないオリジナリティーあふれる記事が出来上がるからです。

では、私たち編集者は何をするのか?

それは、より魅力的な記事に仕上げるための“ちょっとしたお手伝い”です。読者視点に立って客観的に記事を眺め、完読されるための細かい工夫や表現の微調整を行います。

細やかな工夫を加えて記事をブラッシュアップ

例えば、ボリュームのある記事であれば「小見出しを追加して読者が記事の骨格をつかみやすいようにする」「要所で太字表現やフォントカラーの変更を加えて読者がポイントを把握できるようにする」「フォントサイズの大・小でメリハリを付けて文章の流れにリズムを作る」などして、離脱させない工夫をします。

また、シチュエーションや目的別に構成された記事や、時系列に話が進む記事では、「冒頭に目次を追加して読者が内容を選んで読めるようにする」といったことも。

会話調の記事では「間の取り方」を意識します。行間をあえて空けたり、画像とテキストの並びに試行錯誤したり……。そこまでする必要なんてないのでは、と思われる人もいるかもしれませんが、細部にまでこだわります。編集者はしつこい性格の人が多いのかもしれません(笑)。

この編集作業にはそれなりの時間を要しますが、書き手から「読みやすくなりました!」「編集してもらって良かったです」というフィードバックがあったり、読者から「面白かった」「役に立った」というコメントがあると素直にうれしいです。

メディア運営に協力すると同時に、書き手の「後押し」も

さまざまな作業を経て、書き手と一緒に作り上げた記事が世に発信されるときの喜びはひとしお。企業のメディア運営に協力すると同時に、書き手の「後押し」にもつながるオウンドメディアの編集には、非常に魅力とやりがいを感じます

こういったお仕事に興味のある方は、ぜひはてなに応募いただけるとうれしいです! ご応募お待ちしております。

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